保育所の手伝い

2011.08.05

ホームステイ先は個人で2、3、4歳児を7、8人あずかっている民間保育所だった。私の他にもう1人パートで時々手伝いに来ている人がいた。保育所を経営しているのは、自分の子ども2人が巣立って時間も部屋もあるという50代のH夫妻だった。無口だが気の良いご主人は自動車整備の仕事をしていて、保育所は主に奥さんが切り盛りしていた。アメリカの生活には思ったよりスムーズにとけ込んだと思う。子どもは天真爛漫で時たま扱いにくい時もあったが、たいてい平和で楽しかった。子どもを預けにくる親は、概して貧しく人種もさまざまだった。H夫妻はあまり難しい話をしない気さくな下町のおじさんおばさんという雰囲気の人だった。これも難しい話にはついていけない私にとって都合がよかった。英語に関しては、子ども相手だったのでフレーズが短くて助かった。子供は複雑なことは言えないし言わない。基本的な表現、例えば「やめなさい」「ご飯の用意ができたわよ」「こぼさないでたべてね」「よくできたよ」「もうすぐお母さんがむかえにくるから」などなど決まった言い方があり、それが口をついて出てくるようになった。子ども同士のやりとりも耳が慣れるにしたがって聞けるようになり、それもまねて子どもと遊んだ。この生活環境は、私と同年代の若者達の生活とは切り離された所にあったが、私にはそう苦にならなかった。地味な性格であったのと、子ども相手の毎日が適当に忙しく、それなりに刺激もやりがいもあったので満足していた。