非常に効率が悪いエネルギーの使い方

2011.08.25

夜更かしをすると、自然とテレビやゲームに手が伸び、それらの刺激でますます眠れなくなります。とは言っても、子どもも次の日は学校がありますから、一睡もしないわけにはいきません。とりあえず眠ります。しかし、眠る直前にテレビやゲームから受けた網膜への刺激のために、質の悪い睡眠しか取れず、結果的にまた朝の目覚めが悪くなります。これでは、たとえ睡眠時間が十分だとしても、実質的に眠れていないことと同じです。こうしたことは子どもだけでなく、大人にもよく見られる現象です。本来は朝型なのに、擬似的な夜型になっている人がとても多いのです。そうなると、もっとも勉強や仕事をがんばらなくてはいけない時間帯に生産性が上がらないので、非常に効率が悪いエネルギーの使い方になります。人間の体内時計は本来25時間です。この時計の針を、人類は朝日を浴びることで毎日1時間ずつ修正して、生きてきました。それがここ数十年、街の明かりで夜も明るくなってしまい、朝も高層の建造物の間で十分朝日を浴びなくなってしまったがために、毎日1時間の体内時計の修正がうまくできなくなってしまいました。その最大の被害者が子どもです。起床で一番必要なのは光で脳に「起きるぞ」という信号を送ることです。これは原始時代から変わりません。人間は夜、暗くなるに従ってメラトニンという眠りの脳内ホルモンを作るのですが、朝、太陽が昇って光の刺激を受けると、このホルモンを作る酵素が活性を失い、その一方で、活動モードに切り替わるのに必要なグルコルチコイドというホルモンが急激に分泌されます。これによって、次第に目が覚めるのです。ですから、晴天の朝に朝日を十分に浴びるのはもちろん、曇った日も、できるだけ空を見上げましょう。なぜなら、一見、室内と曇った日の屋外では、明るさ(照度)が変わらないように感じますが、実は屋外の方がはるかに明るいのです。しかも同じ曇りの日でも、地上の風景より空を眺める方が、照度は一段と高くなります。曇りの日こそ空を見上げて十分に網膜に光を入れ、脳を覚醒させましょう。そして、子どもを朝型に戻すために、まずは親も朝型に戻りたいものです。そのためには、子どもに「早く寝なさい」と言う前に、朝、親が早く起き、子どもを起こすことです。しっかり起きて光を浴び、家族で挨拶を交わし合い、朝食をしっかり摂り、あごを使ってよく噛んで、脳を刺激する。そこから全てがはじまります。