余り毛糸で自分で編んだ

2011.07.08

似合っているとか、随分と地味なのを着ている、などと必ず感想を言ってくれる。それからしばらくして、足が悪くなり、ついに入院生活をすることになった。ある日、母から電話がかがってきた。祖母のカーディガンを買いたいから一緒に見て欲しいと言うのである。「カーディガンを病院に持って行かなかったの?」私は尋ねた。「おばあちゃんね、カーディガンが嫌いだったのよ。家の中では余り毛糸で自分で編んだのを適当に着ていたけれど、外へ行くときは、ジャケットでなければって、頑として譲らなかったから」「そうだったわね。いつもテーラードジャケットをピッと着ていて格好よかったわよね」「病院のおばあさんたちは、皆、カーディガンをとっかえひっかえ着ているそうよ。それでやっぱり、お見舞いの人が来た時にカーディガンがいると思ったらしいのよ」「テーラードをひっかけて、というわけにもいかないものね」自分で言ってふいに胸に何かがこみ上げた。もう祖母は二度と、あのテーラードジャケット姿で颯爽と街を歩くことはないのだ。祖母にとってのおしゃれが、カーディガンだけになってしまったなんて。

[参考]
AVIREX [アヴィレックス] 公式通販 | ミリタリーファッションの通販サイト
http://www.avirex.jp/

ミリタリージャケット通販
http://www.avirex.jp/fs/avirex/c/FlightJacket